プリンス堀潤 のそもそもキーワード«2015年5月号より»

憲法改正 ・前編
9条 の中身 が変 わる!?

きょうは、みなさんの将来に関わる大切な話をしますね。それは「憲法」についてです。私たちが暮らす、ここ日本の「憲法」が大きく変わるかもしれません。一体なぜ、今、憲法を変えようとしているのか?順番に見ていきましょう。
ジュニアエラ読者のみなさん、はじめまして!ジャーナリストの堀潤です。このコーナーでは、日々のニュースのなかから、ぜひ覚えてほしいキーワードをわかりやすく解説します
みなさんはそもそも「憲法」とは何か知っていますか?ぱっと思い浮かぶのは「ルール」や「決まり」など《守らなくてはいけない約束》というイメージかもしれません。そう思ったみなさんは正解。
ではもう一問。その決まりは誰が守らなくてはいけないものか、知っていますか?「えっ?ルールといえばボクらが守らなくてはいけないものじゃないの?」と思ったあなた、残念ながらそうとは言い切れません。
実は「憲法」とは、私たち国民一人ひとりの自由や権利を守るために《国がやるべきこと、やってはいけないこと》を定めたルールブックです。そもそも国というのはとても強い存在です。警察を使って逮捕したり、財産をいきなり取り上げたりすることができるほどの力を持っています。ですので、そうした強い権力を持った国を監視するのが「憲法」の役割です。
ではもう一問。その決まりは誰が守らなくてはいけないものか、知っていますか?「えっ?ルールといえばボクらが守らなくてはいけないものじゃないの?」と思ったあなた、残念ながらそうとは言い切れません。
実は「憲法」とは、私たち国民一人ひとりの自由や権利を守るために《国がやるべきこと、やってはいけないこと》を定めたルールブックです。そもそも国というのはとても強い存在です。警察を使って逮捕したり、財産をいきなり取り上げたりすることができるほどの力を持っています。ですので、そうした強い権力を持った国を監視するのが「憲法」の役割です。
日本国憲法は三つの原則に分けられます。一つ目は《国民主権》。国の方針を最終的に決めるのは天皇ではなく私たち国民であるということ。二つ目は《基本的人権の尊重》。誰もが自由で平等な環境で勉強したり働いたりして、幸せになることを目指せると約束しています。そして三つ目が《平和主義》。つまり戦争の放棄です。
憲法9条では国同士の争いなどを解決するために武力を使わないこと、そのための陸海空軍といった戦力を持たないことを定めています。
憲法9条では国同士の争いなどを解決するために武力を使わないこと、そのための陸海空軍といった戦力を持たないことを定めています。
ところが、今、この憲法9条の中身を変えようという議論が始まっています。
安倍晋三首相が総裁としてトップに立つ自民党は、自衛隊を「国防軍」という名前の軍隊に改め、条件を満たせば海外の紛争地域にも派兵できるようにしたいとしています。軍事力で日本に圧力をかけてくる国々から国民を守り、一方で世界の安定と平和のためには武力を使うことも認めるとした内容です。
太平洋戦争後、軍隊を持たない日本は、外国を攻撃したり、人を殺したりすることを一切してきませんでした。自衛隊を海外に派遣するときにはあくまで物資や燃料の補給、復興の支援などが主でした。70年の間、他国で武力攻撃をしなかったという日本の姿勢は、海外からも高い信頼を得ています。
安倍晋三首相が総裁としてトップに立つ自民党は、自衛隊を「国防軍」という名前の軍隊に改め、条件を満たせば海外の紛争地域にも派兵できるようにしたいとしています。軍事力で日本に圧力をかけてくる国々から国民を守り、一方で世界の安定と平和のためには武力を使うことも認めるとした内容です。
太平洋戦争後、軍隊を持たない日本は、外国を攻撃したり、人を殺したりすることを一切してきませんでした。自衛隊を海外に派遣するときにはあくまで物資や燃料の補給、復興の支援などが主でした。70年の間、他国で武力攻撃をしなかったという日本の姿勢は、海外からも高い信頼を得ています。
さてみなさん、「憲法」は誰が守るべきルールか、もうわかりますよね。憲法には私たちの自由と権利を守るために国を監視する役割があります。ですから、憲法の中身について考えるということは、私たちの生活を考えることにつながります。この記事を読んだみなさんは、まず自分たちでしっかり議論してみてください。近い将来、あなたの一票で憲法が変わるかもしれないのですから。
憲法9条についてキミはどう思う?
今から70年前、日本はアメリカなどとの戦争に敗れました。日本人だけで、軍人や民間人を合わせ約310万もの人が犠牲になり、二度とこうした悲しい戦争に私たち国民が直面することがないよう、武力を使わず世界平和に貢献するために9条がつくられました。

安倍首相は、今の日本国憲法は太平洋戦争後、戦争に勝って設けられた連合国軍総司令部(GHQ)の主導によってつくられた憲法だと語り、新たに日本人の手によってつくられる「自主憲法」の制定が必要だと主張しています。独立した国家であれば常識だというのです。

憲法改正がされるとしたら1947年の施行から初めてのこと。
早ければ来年中にも、憲法改正のための具体的な手続きが始まるかもしれません。
家族や先生を巻き込んで、大人たちの意見をどんどん聞いてみるのも新たな発見があるかと思います
- 憲法は「国がやるべきこと、やってはいけないこと」を定めたルールブック
- 自民党は、自衛隊を「国防軍」という名前の軍隊に改めようとしている
- 憲法改正についての議論は、政府だけでなく国民全体でなされるべき
堀潤 プロフィル
1977年 、兵庫県 生 まれ。ジャーナリスト、市民投稿型 ニュースサイト「8bit News 」代表 。「モーニングCROSS (TOKYO MX )」「JAM THE WORLD (J-WAVE )」など、テレビやラジオの出演多数 。
1977年
イラストいのうえしんぢ