グーテンベルクから遅れること400年
日本で最初の活字で刷った本『特命全権大使欧米回覧実記』(1878年、博聞社)
写真 ミズノプリテック
活版印刷(活字を使った印刷)は、15世紀にドイツのグーテンベルクが金属製の活字と木製の印刷機を開発したことに始まる。
日本に活版印刷が伝わったのは戦国時代末期といわれているが、日本独自の縦書き崩し文字を活版印刷にするのは手間がかかるため普及せず、江戸時代には木の板に文字を彫る木版印刷が主流だった。
国産1号の活版印刷機は、平野活版製造所で1870年代に製造された。その仕組みは、イギリスのアルビオン型手引き印刷機と同じだ。①四角い枠内に並べた活字ローラーでインクを塗り、②その上に手前から紙をセットし、③奥に移動してプレスすると出来上がり。3人がかりで1時間に約200枚印刷できたという話もある。