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昭和初期の自動織機組み立て工場内の様子(愛知県)
写真 豊田自動織機
昔話「鶴の恩返し」で鶴が布を織るときに使っているのが、手動の機織り機だ。織り機の基本は、縦に糸を何本も張り、その間に横糸を通すというものだ。そのとき、糸が巻いてある木管が入った杼を使って、横糸をくぐらせる。
これを機械の力で行うものが動力織機である。豊田佐吉は1896年に、日本初の動力織機「豊田式汽力織機」を完成。その後も改良を続け、1924年に「無停止杼換式豊田自動織機(G型)」を完成させた。高速運転中に杼を交換して横糸を自動的に補給する、縦糸や横糸が切れたときには自動的に止めるなど、50以上の発明が駆使された優れものだ。29年にイギリスの会社に技術を提供し、その利益はトヨタ自動車誕生に役立った。