強い国をつくるため、「円」の誕生です!
1871年にできた大阪造幣局の前の川に屋形船を出して花見に浮かれる人たち。屋根の上で三味線や太鼓を演奏する姿が見られる
写真 造幣局(上) 朝日新聞社(下)
明治政府は、先進国に対抗できる強い国をつくるために、富国強兵・殖産興業(近代産業育成)の政策を進めた。そのためには、近代的な貨幣制度を確立することが必要になり、1871年「新貨条例」を制定し、貨幣単位をそれまでの「両・分・朱」から「円・銭・厘」に変えた。
そのために、明治政府が造幣局設立を決定し、イギリス人建築家ウォートルスが工事の設計と監督にあたり、大阪・旧淀川河畔に造幣局を建てた。イギリス製の造幣機械を買い求め、造幣技師キンドルを招いた。その結果、加納夏雄などのデザインと彫金技術によって、美しい金貨ができたのだ。
新貨条例では、1円=100銭=1000厘と決め、20円、10円、5円、2円、1円の金貨が登場した。