おしごとはくぶつかん

国産第1号物語こくさんだいいちごうものがたり «第3回»

  • 明治めいじ
  • 大正たいしょう
  • 昭和しょうわ
  • 平成へいせい

あんぱん

現在(げんざい)の「酒種(さかだね) (さくら)あんぱん」。ほかにも季節(きせつ)(おう)じてさまざまなあんぱんが()られている
1874(ねん)明治(めいじ)7(ねん)
酒種(さかだね)あんぱん
木村屋(きむらや)現在(げんざい)銀座木村家(ぎんざきむらや)
あんぱんは、文明開化(ぶんめいかいか)(あじ)がする
1885(ねん)には、「元祖(がんそ)」チンドン()広目屋(ひろめや))が銀座(ぎんざ)()(ある)き、「()()出来立(できた)てホクホクの木村屋(きむらや)パンを()()がれ」と宣伝(せんでん)した
写真 銀座木村家
明治維新後(めいじいしんご)西洋文化(せいようぶんか)(ひろ)まるとともに、パンも(すこ)しずつ普及(ふきゅう)(はじ)めていた。そんな時代(じだい)()んで、パン()開業(かいぎょう)したのが、元下級武士(もとかきゅうぶし)木村安兵衛(きむらやすべえ)だ。 日本(にほん)(じん)(くち)()うパンを(もと)めてパン職人(しょくにん)試行錯(しこうさく)()(つづ)けて、1874(ねん)()まれたのが、和洋折衷(わようせっちゅう)酒種(さかだね)あんぱんだった。酒種(さかだね)使(つか)って発酵(はっこう)させたパンは、独特(どくとく)(あま)(かお)りがする。
(よく)75(ねん)隅田川沿(すみだがわぞ)いの水戸藩下屋敷(みとはんしもやしき)(おこな)われた花見(はなみ)(かい)酒種(さかだね)(さくら)あんぱんが(とど)けられ、明治天皇(めいじてんのう)から「()(つづ)(おさ)めるように」とお言葉(ことば)があった。これをきっかけに、一躍庶民(いちやくしょみん)(あいだ)でパンが(した)しまれるようになったそうだ。
奈良(なら)吉野山(よしのやま)桜花(さくらばな)塩漬(しおづ)けをおへそに()()酒種(さかだね)(さくら)あんぱんは、(いま)()わらぬ人気(にんき)(たも)っている。
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