おしごとはくぶつかん

国産第1号物語こくさんだいいちごうものがたり «第12回»

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  • 大正たいしょう
  • 昭和しょうわ
  • 平成へいせい

速乾性油性(そっかんせいゆせい)マーキングペン

(いま)でも、学校生活(がっこうせいかつ)にはなくてはならないマジックインキは、ロングセラー商品(しょうひん)
※「マジック」「マジックインキ」は株式会社(かぶしきがいしゃ)内田洋行(うちだようこう)登録商標(とうろくしょうひょう)です。
1953(ねん)昭和(しょうわ)28(ねん)
マジックインキ
寺西化学工業(てらにしかがくこうぎょう)
定価(ていか)】80(えん)当時(とうじ)
ガラスや陶器(とうき)にも文字(もじ)()ける画期的(かっきてき)なペン
発売当初(はつばいとうしょ)(はこ)(はい)っていた説明書(せつめいしょ)。「どんな(もの)にも()()ける」「()いた瞬間(しゅんかん)すぐ(かわ)く」と()いてある
写真 寺西化学工業
「マジックインキ」は、(いま)発売当時(はつばいとうじ)(1953(ねん))とほぼ(おな)(かたち)販売(はんばい)されている貴重(きちょう)製品(せいひん)だ。
51(ねん)、アメリカ産業視察団(さんぎょうしさつだん)参加(さんか)した内田洋行(うちだようこう)内田(うちだ)憲民社長(けんみんしゃちょう)()(かえ)ったさまざまな商品(しょうひん)(なか)に、フェルトのペン(さき)使(つか)った(あたら)しいタイプの筆記具(ひっきぐ)があった。
しかし、容器(ようき)もキャップも(こわ)れ、ペン(さき)中綿(なかわた)(かわ)いてしまって、(じつ)はどんなものかよくわからなかったという。ところが、それを()寺西化学工業(てらにしかがくこうぎょう)社長(しゃちょう)寺西長一(てらにしちょういち)は、内田(うちだ)にこの(あたら)しいペンの研究開発(けんきゅうかいはつ)をしたいと(もう)()たのだ。
難関(なんかん)は、油性(ゆせい)溶剤(ようざい)()ける染料(せんりょう)開発(かいはつ)だった。数々(かずかず)試行錯誤(しこうさくご)(すえ)水溶性(すいようせい)染料(せんりょう)樹脂(じゅし)反応(はんのう)させることで(よう)(ざい)()ける油溶性染料(ゆようせいせんりょう)をつくり()げ、商品化(しょうひんか)につなげた。
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